5年間ずっと押し入れにしまってあったスチールパンを半年ぐらい前から時々触るようになりました。
それで、2、3日前にトリニダード・トバゴからマリオ(メーカーのTTIL社の専属チューナーでレネゲイズやカリビアンマジックのオーケストラメンバーでもある)が来日していることを知り、マイパンもチューニングして貰えるか西原店長に問い合わせてみたらOKとのことだったので、持って行きました。

北新横浜のパンヤードは初めてだし、横浜から移転したお店に行くのも初めて。ちょっとドキドキものだったけどすっかり忘れられてなくて、みんな暖かく迎えてくれ嬉しかった。

Pan Tuning
マリオにも5年振りに会って挨拶をしたら、すぐその場でチューニングしてくれることになりました。
それで今回も横で見学させてもらうことにしました。

ちょっと驚いたのは、5年前にチューニングして貰った時はチューニングメーターの数字だけを頼りにやってたのに、今はパソコンの画面にパンの形状でモニタリングされてました。一体誰がこんなレアなソフト開発したんだろう。たぶんTTIL社の関係者の人なんだろうけど。





スチールパンのチューニングはハンマーで叩くことで行います。マリオの場合は、右手で大中小3種類ぐらいのハンマーを取替えて叩き、左手でマレット(音を出すスティック)を強めに叩きながら音を確認していく。そしてたまにチューニングメーターを見る。
メーターを見るのは音程を確認するというより、倍音を確認するためのようです。

倍音というのは説明がうまくできないんだけど、スチールパンは一つの音域のノート(丸く盛り上がった山)を叩くと全体が共鳴するので、オクターブ違いの音や、3度や5度違いの音を出すノートもバランスよく共鳴するようにチューニングされている必要があるみたいです。

それで、一つのノートの音を調整すると、全然あさっての部分を叩いたり、裏側を叩いたり、パンの縁を叩いたりして調整していきます。見ていてもどういう理屈なんだかさっぱり分かりません。
一応規則性のようなものはありそうなんだけど。
シングルテナーの場合ノートは28個ありますが、それらをすべてチューニングするのに1時間ちょっとかかりました。
因みに、A=442Hzでチューニングしてました。

終わったらちょうどPanlandオーケストラの練習の時間になったので折角だからちょっと聴かせてもらうことにしました。今月末に10周年記念のCDのレコーディングをするのだそうです。
Pan in Harmonyという曲の練習を聴きましたが、この曲は自分もメンバーとしてライブで演奏したことがあるので、正直グッとくるものが。

川島さんともいろいろ話をして、この業界もなかなか厳しいものがあると認識しました。
長い目でこれからゆっくりと良い方向に向かってくれればと思います。